会社が経営を行い、利益を追求するには「元手」(株式)が必要ですね。
例えば、工場を建設したり商品を仕入れたりするには「資金」が必要ですが、
この「資金」(元手)を多くの人に出資してもらい、その証拠に「株式」を発
行します。企業側からすれば、「株式」は経営資金を調達する為の手段ですが
、出資者側からすると「株式」とは出資の証拠であり、いつでも好きな時に売
却できる権利でもあるわけです。それではこれから詳しく株式について勉強し
ていきましょう。
◆ 株と株式会社
「株式会社」は読んで字のごとく株式を発行して「資金を調達」し、それを元
手に製造・営業活動を行う会社のことをいいます。そこで、株式会社の発展し
てきた歴史をたどって見ますと理解が深まると思います。
中世ヨーロッパで地中海貿易が盛んだった頃に遡りますが、船を仕立てて交易
用の商品を運搬する時、船主(船を操り嵐や海賊の危険を背負って航海する人)
と出資者(自分は船に乗り込むことはしないが、交易品等の買い付け費用の一
部を賄う人)に役割が分担されるようになりました。
前者(船主)は自分が実際に船を操り航海するので、嵐や海賊に遭遇した場合
「命」の保証はありません。このことを「無限責任」といいます。
後者(出資者)はたとえ航海中に嵐や海賊に遭遇して積荷を無くしたとしても、
出資した交易品の対価だけの損失で、自分の命までなくす心配のない人です。
このことを「有限責任」といいます。
この出資形態は「無限責任社員」と「有限責任社員」という2種類の出資責任の
範囲が区別できるようになった最初の形態といえます。現在この出資形態は「合
資会社」ということになります。
更に時代が進みますと、有限責任社員だけで会社の運営を行う企業形態があらわ
れます。その良い例に、オランダの「東インド会社」がありますが、この会社の
出資形態が株式会社の原型と言われています。
株式会社に出資すると、「貴方は私の会社の出資者ですよ」という証書が発行さ
れます。これを「株式」(株券)といい、このように出資した人を「株主」とい
います。
※有限責任社員とは
ここでいう社員とは、私たちが良くつかう「会社員」という意味ではなく、「出
資者」という意味です。「有限責任社員」は出資の額を限度として有限の責任を
負う出資者という意味です。
もし貴方が株式を買ったら貴方は「株式」を買った会社の「株主」になったことになります。
株主には、「議決権」「利益配当請求権」「残余財産分配請求権」3つの権利が
あります。
貴方が株式を買って、名義書換の手続をするか保管振替制度を利用して株主の届
け出をしますと「株主名簿」に名前が記載され「株主」となります。
「株主」の身分は、買った(出資した)会社の所有者になることを意味していま
す。そうして、ある一定以上の株式を保有していれば「株主」としての色々な権
利が与えられます。
株主の権利としては、まず第1の権利は1株につき1票の「議決権」を持つこと
になります。株式会社では、毎決算後に株主総会が開催されますが、議題に対し
て賛否の投票をする権利があるわけです。
第2の権利は「利益配当請求権」です。貴方が株主であれば保有している株式数
にみあう配当金を受け取ることができる権利です。例えば、1万株を所有してい
て、一株の配当金が5円であれば、1万株×5円の配当金を受け取ることができ
るのです。
第3の権利は「残余財産分配請求権」です。あってはならない事ですが、企業で
ある以上営業活動が不調で倒産することもあります。その時は、債権者への支払
い等を差し引いた残りの財産を株数に応じて受け取ることができます。
当然、証券取引所で売買されている「株式」であれば、金融不安説などの情報は
マスコミ等でとりあげられるでしょうから、倒産前に売却して逃げることもでき
ます。
貴方が株式投資をされる際に、イメージとして浮かぶことは、高くなりそうな株
を安いときに買って高くなったら売って儲けたいと思っていらっしゃいませんか?
大部分の方の目的は「売却益」(キャピタルゲイン)でしょう。
でも「株主」になると、いいことはそれだけではありません。その他に「配当金」
も貰えますし、「株主優待」や「株式分割」もあります。これらの特典をふるに
活用して少しでも多くの利益をめざしてください。
でも、株式投資の醍醐味は、何と言っても「売却益」です。株価が安い時、冷徹
に仕込み(買い)高くなったら売るの繰り返しで一攫千金をねらってみるのも面
白いです。
もっとのんびりと株式を保有して「株主の地位」を味わいたい方は、「配当金」
(インカムゲイン)があります。最近M&A(企業買収)などに対抗して安定株
主を確保するために配当利回りを上げる傾向にあります。
中には、「預貯金の利息」よりも遥かに高い配当性向を維持している企業もあり
ます。
ところで、もう一つ一攫千金をめざすには「株式分割」を上手く利用する方法が
あります。株式分割は現在保有している株式の子供が増える制度です。
例えば1株を3株に分割という発表があれば無償で3株の株主になれるわけです。
1株を3株に分割した場合、その時点では、株価は三分の一になりますが、分割
を行うだけの利益や収益獲得能力のある会社でなければ分割は行いません。
まず分割が発表になるとそれを目当てに買いが集まり株価は大きく値を上げるの
が常です。上がった株が三分の一になっても合計の株価は上がった時の金額です。
分割後、当然業績のよい銘柄ですので再度上昇過程を辿る銘柄が多いのです。
その他に、「株主優待」がある会社もあります。詳しくは、「会社四季報」の巻
末の資料などを参考にしてください。とても楽しいですよ!
株式は分類の基準によって色々な種類があります。「株主の権利による分類」
「額面による分類」「流通している場所による分類」「上場か非上場かの分類」
などがあります。
「株主の権利による分類」
普通株・・・前項で説明した株主の権利がすべて備わっている株
優先株・・・配当金や残余財産を普通株よりも優先して受け取ることのできる
株(ただし、株主総会での議決権などがない)
「額面による分類」
額面株・・・50円・500円・50,000円など券面に表記がある株。
これは、一番最初に払い込まれた金額を示しています。
無額面株・・額面には記載がなく、市場株価が払い込み金額になる株
「流通している場所による分類」
海外株式・・海外の株式市場に上場している株
国内株式・・日本株式ともいい日本国内に上場している株
「上場か非上場かの分類」
上場株式・・証券取引所で日々取引されている株式
非上場株式・証券取引所で売買されていない株式・売買相手を探さなければ
ならない
◎ 短信メモ;海外の証券市場
海外の証券市場はニューヨークが有名ですが、その他にロンドン・フランクフ
ルト・香港・シンガポールなどの市場があります。
株を買うには「証券会社」をとおして買いますが、証券会社から買っているの
ではありません。証券会社は株式市場を通じて株式売買の仲介をしているので
す。
それでは、誰から買うのでしょうか。まず株を発行する会社から買う(出資す
る)場合と、もう既に株を所有している方から買う場合があります。
会社が発行する株を買う場合は、新規発行の株になります。この株は、証券会
社が募集・販売を引き受け市場に流通させた株を買うことになります。この株
式の市場を「発行市場」といいます。
一方、既に株を所有している方から買う場合は、その売り手の方が、証券会社
を通じて「何円で何株売りたい」という内容で売りに出した株式を、やはり証
券会社を通じて買い注文をいれて買ってもらいます。この株式の市場を「流通
市場」といいます。
株式市場は前項でご紹介した「発行市場」と「流通市場」を意味していますが、
一般的には、株式売買を取り扱う場所や制度まで含めて「株式市場」とよんで
います。そこで、もう少し整理して理解を深めてみましょう。
「流通市場」で実際に注文を集中的に処理する場所が「証券取引所」です。取
引所は東京・大阪・名古屋・札幌・福岡にあります。その中で世界的にも有名
なのが「東京証券取引所(東証)」で1部・2部の市場その他新興企業の株を
扱う東証マザーズ、外国の株式を売買する外国部なども東証の中にあります。
「大阪証券取引所(大証)」は日本では東証の次ぐ規模で、ヘラクレスという
新興企業の株式売買をする新興市場を持っています。
更に店頭市場から発展したJASDAQ(ジャスダック)証券取引所は代表的
な新興市場で新規上場株やベンチャー企業の宝庫です。
「発行市場」は前述のごとく、企業が新たに発行した株を証券会社を通じて売
買される市場です。
証券取引所は、東京・大阪・名古屋・札幌・福岡にあります。
日本だけでなく世界中の人が、日本の株を売買するため証券会社をとおして注文をだします。
個別に売買するとなかなか相手を見つけられない場合でも、証券取引所を通じて一堂に会して売買すれば、大量にしかも適正価格で売買が可能です。
そのような機能を持った施設を「証券取引所」といいます。
東京、大阪、名古屋の各証券取引所には、上場基準によって1部と2部があります。
また、東証には外国部も併設されています。
取引に参加できるのは、取引所の会員になっている証券会社だけです。
貴方が、株式を売買するには、一定の手数料(各社で差異あり)を支払って、証券会社を通じて売買してもらうことになります。
証券取引所では、大勢の人が独特のサイン(手振り)で取引をしていました(立会場取引)が、最近ではコンピュータのシステム取引がとってかわり貴方のパソコンから注文を出せば瞬時に売買でき、手数料も大変安くなりました。
証券会社は株や債券に関する色々な業務を遂行しています。列挙してみますと、
「売買委託業務」「自己売買業務」債券や株の「引き受け業務」「売り出し・
募集業務」などをてがけています。
「売買委託業務」・・・投資家が株式売買などをする際に、直接「証券取引所」
に発注することができないので、証券会社に仲介を委
託します。証券会社は投資家の代わりに「株式売買委
託手数料」をとって代行します。
「自己売買業務」・・・証券会社は取引の仲介をするだけでなく、自らも株式
を売買して売買利益を追求します。このことを「ディ
ーリング」といいます。
「引き受け業務」・・・企業が株や債券を発行する場合、証券会社に委託料を
払って引き受けてもらい、証券会社が投資家に販売す
る業務を行います。
「売り出し・募集業務」引き受け業務とこの売り出し業務のことなるところは、
引き受けは企業が新規に発行する株式など(まだ発行されていない株式など)
を引き受けるのですが、「売り出し業務」は公募など既に発行済みの株式や債
券を対象にしています。この場合、売れ残った株や債券を引き取る必要はあり
ません。つまり、募集業務ということになります。
貴方が、株式市場で株式を売買をするときは、まず銘柄選定をするでします。
その株の現在株価の表示は1株の値段を表しています。貴方は、手持ちの資金
と見比べて何株買えるか計算します。
ところが、株式を売買するには、取引単位が銘柄ごとに決まっていますので、
その取引単位の倍数で買わなければなりません。一般的に、多い単位は
1,000株です。しかし、値高株(5,000円とか10,000円以上とか)
を1,000株単位で買うのは相当の資金力がないと買えません。
そこで、値高株には、多くの投資家が買いやすいように100株単位や500
株単位の銘柄がありますし、新規上場した銘柄などは数十万円とかの株価で売
買されているため1株という売買単位で買える銘柄もあります。
貴方の投資資金に応じて取引単位の倍数で売買株数を決めることができるので
す。
「為替相場」も金利と並んで株価に大きく影響を与える「与件」の一つです。
よくマスコミの報道などを見ていますと、円安に振れたため「輸出関連株」を
中心に買われたとか、急激な円高で売られたとかのコメントを耳にします。
ここでは与件としての為替相場が株価に与える影響を勉強する前に、為替とは
どういうものかを理解しておきましょう。「為替相場」とは世界各国通貨の交
換レートのことを指します。
私たちは日本の株式を中心に売買します(ニューヨークや香港などで米株・中
国株を買う方もいらっしゃると思いますが)ので円に対して諸外国の通貨が幾
らか知っておく必要があります。
特に「アメリカ・ドル」との交換レートが株価に与える影響はおおきので、常
に注意を払っておきましょう。
例えば1ドル=100円の時は、1ドルの商品を買うのには100円で買えま
す。また、100円の商品を売ると1ドルの支払いを受けることになります。
それでは、1ドル=120円でしたらどうでしょうか。この場合は、1ドルの
商品を買うのに120円支払うことになります。そして、100円の商品を売
ると約0.833ドルの支払いを受けられます。
1ドル100円がもし1ドル120円(円安)になると外国から商品を買う場
合は、「値上げ」と同じ結果になり、輸入コストが高くなり商品や原料が高く
なります。
外国に商品を売る場合は「値下げ」と同じことになりますので、他国の商品よ
り価格競争力がつき、輸出が盛んになります。
このように、与件としての為替相場は企業活動に色々な面で影響は与えること
を理解しておきましょう。しかし、為替相場が株式相場に与える影響は上記の
ような単純な方程式で把握できるものではありません。
そこで、為替相場が株価に与える影響について詳しく勉強しておかなければな
りませんが、この勉強は後半に譲ることと致します。
株価は、企業の現在価値を表示しています。当然企業の価値は、あらゆる政治
経済などの企業を取り巻く環境によって刻一刻と変化します。ここでいう変化
とは、将来の企業の評価まで含めた価値の変化です。
勿論、現在の1株実質価値は「純資本÷発行済み株式数」で割り出すことがで
きます。
しかし、株価はまず現在の実質価値と一致することはありません。それは株価
が先の先までの企業価値を織り込む習性があるからです。そこで株価を決定す
る要因はどんなものがあるのでしょうか。
株価の決定要因には大きく分けて「企業独自の要因」と企業活動をとりまく
「政治経済の与件としての要因」です。
「企業独自の要因」としては;
第一に、何と言っても「企業の業績」です。この企業業績は直接的に株価に
影響します。
第二に、企業の製品開発力やブランド・人気度など。
第三に、新しく市場を創造する新製品やサービス・新技術の評価。
第四に、将来の経営戦略が時流を捉え、将来性に富んでいる。
その他、ということになります。
「政治経済の与件としての要因」としては;
第一に、金利や為替などの経済的与件の変化。原油等の商品市況。
第二に、政治動向。特にアメリカの政策と日本の政策。
第三に、時代背景。自然環境。
第四に、国際情勢。海外の市場、紛争や戦争など。
この他にも多くの要因がありますので、色々なニュースに注意を払い、株式
がどの様に動くか常に注意をはらっておくことが大切です。
◎ 短信メモ;時価総額
株式投資をしていますとよく時価総額という用語を耳にする機会がおおくなり
ます。時価総額は個別銘柄と市場全体の全ての上場銘柄で使われることがあり
ます。個別銘柄時価総額は現時点の株価に上場株数を乗じて計算します。一方、
市場全体の時価総額は、ある時点での上場している銘柄の時価総額の合計で算
出されます。
市場全体の動きに触れておかなければならないのは、どんなに優良な銘柄で、一見独自の動きをしているように見えても、最終的には、全体の動きに同調し吸収されていくということす。
それでは、全体の動きを私たちに教えてくれる(株式市場の全体の動きが解る)ツールは何があるかといいますと、貴方もご存知の、よくニュース等でも毎日放送されている「日経平均株価」と「TOPIX」(東証株価指数)があります。
この他、あまり表面的に現れてきませんが「単純平均」は、個人的には相場の流れを判定するのにとても有効だと考えています。
この他、「業種別平均」の上昇率の比較はどの業種が相場の牽引役になっているか、下がっているか、上がっているか、買って儲かるかが理解できますので便利です。
そして、銘柄の絞込みやポートフォリオの作成にも利用できると思います。
「日経平均株価」・・・この株価指数は、「日経225」「日経平均」「日経ダウ」などと呼ばれています。東証1部の代表的な225銘柄をある算式で計算し、指数化したもので、先物としても売買されており(シカゴ日経先物としても取引されている)先物の値動きが大きく現物の平均株価に影響を与えることもあります。
日経平均は全体の市場動向を把握するには良い指標ですが、225銘柄に限定されていますし、単純平均を用いることから一部の値高株の上下に結果が大きく影響されるという場合もありますので、その点を考慮しておきましょう。
この指標は、1970年から日本経済新聞社が公表しており、
1991年からは時代を反映した、流動性の高い銘柄との入れかえで指標の信憑性が保たれております。
「TOPIX」・・・・「TOPIX」(東証株価指数)は、東証が1968年1月4日の1部全体の時価総額を「100」として、どれくらい増減したかを指数にして発表しています。
全銘柄を対象としているため、「日経平均株価」に比較してより全体の動きを忠実に反映していると評価されています。NHKは他の民法と同じく日経平均と一緒にTOPIXも放送していますが、他の民法が日経平均株価を先に紹介するのに対して、NHKはTOPIXを先にして重要視しています。
これは、ITバブルのころ日経平均株価が比較的ハイテク銘柄の構成比率が高いのに対し、TOPIXは銀行株なども含まれているため二極分化が進み日経平均は日々続伸しても、TOPIXはあまり上昇しないどころかマイナスになることもあったため、全体を把握する為にはTOPIXが適当と考えているからです。
貴方が、株式の売買注文を出すのは契約先の証券会社ということは、既にまなびました。
証券会社は、営業時間内ならいつでも売買注文を受け付けてくれます。
インターネット取引を利用する場合には、24時間いつでも売買注文をだすことはできます。
しかし、証券取引所は24時間取引しているわけではありません。
証券会社で受け付けられた売買注文は、即座に証券取引所へ発注されますが、証券取引所の取引開催中の時間帯なら直ぐに売買されますが、取引中でない時は翌日の寄り付きからの注文になります。
「ポイント1 株価はどのように決まるのでしょう」の項で証券取引所の取引日時について具体的にご説明しておきました。
もう一度思い出してください。以下が、簡単な内容です;
(証券取引所で株が売買されるのは「前場」「後場」の1日2回です。
年間の取引は1月4日から12月30日まで(土日祝祭日は休み)です。
「前場」は9時から11時まで、「後場」は12時30分から15時までです。)
上記の時間帯でしたらほぼリアルタイムに貴方の売買注文は、売買価格が合えば成立します。しかし、上記の日時以外でしたら翌取引日になります。
「金利低下」⇒「お金が借りやすい」⇒「企業業績好調」⇒「株価高」
「金利上昇」⇒「お金が借りにくい」⇒「企業業績不調」⇒「株価安」
とういう方程式がなりたちます。
それでは、金利が高くなったり、低くなったりするのはどのようなメカニズム
が働いているのでしょうか!基本的に経済は、需要と供給のバランスで成り立
っています。与件としての金利についてもこのメカニズムは働いています。
景気がよく経営資金が必要な時(お金の需要が旺盛な時)は「金利が高くなり」
今度は反対にお金が借りにくくなるため景気が悪くなります。
一方、景気が悪く資金を必要としない時は「金利が低くなり」ます。そこで、
今度は、お金が借りやすくなり景気は良くなります。
ところが、このメカニズムをそのまま自由にしておきますと「好況」と「不況」
の波が大きくなり、人々の生活に大きく影響を与えてしまいます。「好況」の
時は良いのですが、「不況」の落ち込みが激しく「大恐慌」になってしまうと、
たくさんの企業が倒産し、失業が社会に蔓延し、経済に大きな打撃を与えてし
まいます。
そこで、政府日銀は、このメカニズムを利用し先回りして、「大恐慌」や景気
が「過熱」して「インフレ」にならないように、市場に流通しているお金の量
を調節したり、直接「金利」を「公定歩合」を通じて上下させて景気の調整を
しています。
この金融政策に株価は敏感に反応しますので、いつも注意を払っておくことが
大切です。
商品市況では、私たちの生活や企業活動に必要な原材料・非鉄・金属・農産物
など様々な商品の取引が行われて価格が日々決められています。
例えば「原油相場」ですが2001年末には1バーレル20ドル前後だった原
油価格は2005年8月には70ドルに一瞬のせました。その結果、原油関連
株は軒並み高騰しました。
反面、アメリカ株は、原油高騰で全体的には消費に与える影響が大きいと売ら
れました。
金価格は1999年8月には、1トロイオンス252.5ドルだったものが
2005年12月には538.5ドルと2倍以上に高騰しました。日本一の産
金株、住友金属鉱山は215円が1500円まで買われました。
その他非鉄金属なども高騰していますが、それに準じて非鉄株も高騰していま
す。このように、商品市況が株式市場に与える影響は大きいのです。
こんなところにも株式市場が経済的な与件に大きく影響されることが理解でき
ると思います。常に注意しておきましょう。
経済は右肩上がりに継続して上昇し続けることはありません。「好況」と
「不況」を繰り返しながら成長していくことが理想です。
当然、「好況期」には株価は上昇しますし、「不況期」には株価も下がりま
す。しかし、株価の上昇・下降は経済の「好況期」「下降期」に全く一致し
て動く訳ではありません。
むしろ、「株価」は景気に半年ほど先行して動くと言われています。
従って、「株価」は景気の先行指標ということができます。
景気の変動は;
「不況」⇒「景気回復」⇒「好況」⇒「景気後退」 を繰り返しています。
ここで、「与件1;金利」で説明した金融政策を思い出してください。
政府日銀は不況時には、「金利を低めに誘導」し「市中の貨幣量を多く」する
ことで、景気を喚起する政策を実施します。
「不況時」には、それほど資金需要が旺盛でないため、余剰資金が株式市場に
流れ込み株価が上昇する現象が生じます。このことを不況の株高「金融相場」
といいます。
その後、政府日銀の金融政策の効果が示現し、企業の業績が良くなり始めます
と、企業業績を囃して株価は更に上昇します。この時点の相場を「業績相場」
といいます。
更に企業の活動は活発になり「好況」になりますと、「インフレ」を抑制し一
気に景気が落ち込んで「恐慌」にならないように、日銀は前もって「金融引き
締め政策」を行います。この時「株価」は先取りして下降し始めます。このこ
とを「逆金融相場」といいます。
そして、企業業績が下降しはじめ「景気後退」が始まりますと株価も下降を続
けます。これを「逆業績相場」といいます。
この様にして景気循環と株価は連動しながら循環しているのです。この循環を
対応させて見ますと、
「不況」(金融相場)⇒「景気回復」(業績相場)⇒「好況」(逆金融相場)
⇒「景気後退」(逆業績相場)となります。
株式相場は景気循環を先取りして動いていることが理解できます。
「国の政策」は、政府や国会の財政政策、税制、福祉政策や将来の国家ビジョ
ンなどに反映されます。国が行う政策は、大きなお金の使い道を示し、どんな
産業がこれから伸びるのか消費の動向はどうなるか等、株式市場にとっては、
経済的与件に影響を与えることの多いこの国の政策は、最大関心事項と言うこ
とになります。
特に、予算案の作成や経済政策の方針、税制の変更など、未決定でも大臣や諮
問委員会などの発言は、将来を示唆するものだけに株価に大きく影響します。
政治的な悪い材料、例えば、スキャンダルや政争、政権を揺るがすような事件
などは株価のマイナス要因としてとらえることができます。この様に、常に政
治の動きには注意を払っておく必要があります。
次回「具体的な国策」でどの様に株価が変化したか説明していすますので参
考にしてください。
世界の政治状況や国際的な重大ニュースによって日本の株式市場も大きく影響
をうけます。過去の国際情勢や重大ニュースで株価が大きく反応した例を紐解
いてみましょう。
1953年3月5日
スターリン・ショック・・・当時ソ連の首相スターリンの死去で朝鮮戦争特需
がなくなると事を危惧して大きくさげた。
1971年8月16日
ニクソン・ショック・・・・兌換紙幣(金と交換できる)の米ドルを、金との
交換を停止し、10%の輸入課徴金を課すことでド
ル防衛を発表。株価は暴落する。
1987年10月20日
ブラック・マンデー・・・・ニューヨーク株式市場を震源地に「双子の赤字」
(財政・貿易赤字)懸念で大暴落。世界中に波及し
た。
2001年9月11日
米国同時多発テロ・・・・・ニューヨーク世界貿易センタービルにハイジャッ
クされたジャンボ機が突っ込み米国防総省なども
被害をうけ米国内は大混乱に陥る。世界中の株式
市場で大きな影響を受ける。
このように、国際情勢が株価におおきな影響を与えます。その他、経済的に大
きく相互依存しているアメリカの株式市場の動向、そして最近では政冷経熱で
少々カントリー・リスクのある中国の動向などにも注意しておきましょう。
企業は毎年の決算によって経営の成績表を作成します。これを企業業績といい
ます。特に上場企業は、企業業績として、決算の内容や経営状態を報告書のか
たち(有価証券報告書)で、60日以内に財務省に提出する義務があります。
更に、決算月から6カ月経過した時点で、中間決算を発表する義務があります。
また、多くの上場企業では、決算短信で4半期ごとの企業業績を発表していま
す。
株価は企業業績によって大きな影響を受けますのでこの決算書のチェックはと
ても大切なことですが、チェックするポイントの第1点は、実際の決算が決算
予測と大きくかけ離れた場合です。
例えば、決算予測よりも本決算や中間決算が良かった時(増額修正)は、一気
に株価は買われますし、反対に悪かった時(減額修正)は、売られます。
第2点目は過去よりも将来の成長性です。これをチェックするには、前期・今
期・来期(場合によっては、今期・来期・昨来期)の3期比較が有効です。
3期比較の収益率が上昇傾向(末広がり)なのか下降傾向(尻すぼみ)なのか
を判断の基準にしていこうということです。
例えば、A社、B社の前期の売上高が100億円だとします。便宜上、ご理解
いただくために経常利益もA社、B社とも同じの20億円だったとします。
次に、今期はA社の売上高は110億円で経常利益が35億円とします。
一方、B社は売上高が140億円、経常利益が40億円という業績だとします。
この場合、B社はA社より売上高、経常利益ともA社より勝っていますが、売
上高経常利益率で比較してみますと、A社は31.8%、B社は28.6%とな
り経営効率から見ればA社に軍配があがるところです。
しかし、この時点では、まだ判定してはいけません。企業業績の推移は3期比
較ではっきりします。そこで、来期の(売上高、経常利益の具体的金額は省略
させていただきますがA,B社ともに増収・増益だと仮定します)売上高経常
利益率はA社が28%、B社が30%になるとしますと、実際に利益率が末広
がりになっているのはどの企業かが理解できます。
上記のように、売上高経常利益率の3期比較をして、始めて利益率が低下傾向
か、それとも上昇傾向かがつかめます。その他の投資基準を考慮しなければな
りませんが、単純に収益性を検討すれば、貴方はB社に貴方の投資資金を投入
すべきなのです。
突然の好材料や悪材料がでた時、売買希望の注文が大量に集まります。好材料
では、値が付かないで気配値が切り上がるか、値が付いてもドンドン上値が買
われていきます。反対に、悪材料ではその反対の動きをします。これを放置し
ておきますと1日の株価が倍以上になったり、半分以下になったりしてしまいま
すので、値幅制限を設けて時間的な冷却期間をおきます。このことを「ストッ
プ高」「ストップ安」といいます。
証券取引所で株が売買されるのは「前場」「後場」の1日2回です。
一日の取引のうち株は売買をとおして上下しながら色々な値段をつけます。
前場「寄り付き」で最初についた価格を「始値」(はじめね)といいます。
後場の最後についた価格は「終値」(おわりね)といいます。
また、1日の中で一番高い価格を「高値」(たかね)、一番安い価格を「安値」
(やすね)といいます。
このような4種類の価格を「4本値」と呼んでいます。
この4本値は、テクニカル分析でポピュラーな「株価チャート」(罫線)に利
用されます。
貴方が株式投資を始めるにあたり、まずやらなければならないのは証券会社を
選ぶことです。証券会社は、外資系も含めておよそ280社あります。それで
は、たくさんの中から、どんな基準で貴方に適した証券会社を選んだら良いの
でしょう。ここでは、色々な証券会社の選択基準を見ていきましょう。
◆ 証券会社選択の基本
選択基準には色々あります。ネット取引・安全性・利便性・売買手数料・サー
ビス等を勘案して選択しますが、一番大切なのは、ご自分が行いたい投資スタ
イルに適した利便性のある証券会社を選択すべきです。また、小資金でも始め
たい方は「ミニ株」「るいとう」を扱っている証券会社をえらびましょう。
◎ 短信メモ;「ミニ株」「るいとう」
「ミニ株」は通常の売買単位の10分の1で取引ができます。売買単位が
1000株の銘柄なら100株で買えます。(単位が1単元に満たないた
め株主優待・株主総会出席の権利はなく、指値注文はできない。配当金と
株式分割は受け取ることができる)「るいとう」は、毎月1万円以上千円
単位で積み立て感覚の株式投資ができる仕組みです。
株式投資にかかる手数料には「売買手数料」「口座管理料」「名義書換手数料」
などがあります。このうち「売買手数料」は買いと売りの双方で必要です。
証券会社によって売買手数料はまちまちですので、色々なサービスと使いやす
さを検討しながら決定しましょう。
株を買いますと、証券会社に株券を保管してもらったり、名義書換に出したり
してもらいます。その時に必要なのが「口座管理料」や「名義書換手数料」で
す。
現在では、「保管振替制度」(ほふり)を活用するのが一般的です。「ほふり」
はコンピュータネットワークを通じて口座振替を行い株主変更します。
「ほふり」を利用する場合には、「名義書換手数料」は必要ありません。
昨今では、インターネットを使った取引が普及し株取引が気軽にできる様にな
りました。インターネット(オンライントーイド)を使わない「普通取引」
は、証券会社の窓口に出向くか、電話で発注する方法が一般的です。
普通取引の場合は、証券会社の営業時間中でないと売買注文はだせません。ま
た証券会社の営業マンか、連絡の担当者がつくのが通例です。
色々わからない事を相談したり、手続が不安だったりした場合には、営業マン
や担当者がついていると安心ですが、反対にじっくりと自分のペースで銘柄選
定したり、何時でも空いている時間に発注を出したい等、自由に株取引をした
い方は、オンライン・トレイドは大変便利です。
将来「デイトレイド」のように頻繁に株式の売買を行いたい方はオンライント
レードの方が「売買手数料」も安く使い安いかも知れません。
最近では、財務情報、アナリスト情報、リアルタイム株価サービス、銘柄情報、
株価ランキング等、証券会社のHP(無料)を利用できるようになり、オンラ
イン・トレイドでの情報収集もできるようになってきました。